20年前、システムエンジニアをやっていた頃の話です。確かあれは、某カード会社のデータベース構築プロジェクトで、お客様の顧客情報を処理するプログラムのチェックをしている時に起こったことです。
カチャ、カチャカチャ、ピッ、「あれぇ?この顧客情報ってこの間、削除したんじゃなかったっけ」、どれどれ、カチャ、カチャカチャ、カチャ、カチャ、ピッ、「本当だぁ、先週削除した履歴が残っている」、どこかの処理で消したデータを復活させている可能性が考えられるから、関係のありそうなプログラムを追っかけて、原因を調べておいてくれる、頼むよ。
1週間後、頼んでおいた例の復活データの件について、担当者に聞いてみると信じられない報告があがってきた。「あれから、顧客情報を一旦削除してみて、その後の流れを追っかけてみたんですが、復活させるようなプログラムはどこにも見当たらなかったんです。でも、消しても、消しても、その顧客情報は次の日には復活して来るんです。気になって、その顧客情報を調べてみると、信じられないかも知れませんが、3年前にすでに亡くなっている方の情報でした・・・」
すでに亡くなっている方の顧客情報がなぜ復活して来るのか、原因は未だに不明のままである。あれから20年が経ち、あの消えない情報は今、どうなっているのだろうか、まだあのデータベースの中に存在しているに違いない。何せ、消しても、消しても、消せない情報なのだから。
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